Aphou ‘since, after’: a possible Peloponnesian formula in Ancient Greek treaties recorded in dialectal inscriptions
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抄録
本稿では、Minamimoto (2017), Subordinators and supradialectal formulas in the dialectal inscriptions from Mainland Greece (excluding Attica). (UCLA dissertation)が未解決のまま残した問題の解決を図る。その問題とは、古代ギリシア・ペロポネソス半島から発見された3 点の都市間条約碑文において、aphou ‘since, after’ を含む表現(おおまかには「この条約が発効して以降は」を意味する)が定型的であるか否かである。Minamimoto (2017: 108) は、用例が少数にとどまることと、その3 点の碑文の時間的分布が150 年程度と拡散してしまっていることを理由に、結論を出すことを避けた。本稿では、古代ギリシア語の複数の世代における散文を分析し、さらに問題の条約碑文の文言さらに詳細に分析することで、aphou の用例は実際に定型的であると判断するべきかを検討する。その結果、aphou は他の可能な表現(epeidē ‘since’ や hysteron ē ‘later than, after’)を差し置いて選択されており、その選択には理由があったものと考えられる。したがって、わざわざaphou を選択したからには、それは定型表現として定着していたからであろうと考える。
収録刊行物
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- 国際文化学研究 : 神戸大学大学院国際文化学研究科紀要
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国際文化学研究 : 神戸大学大学院国際文化学研究科紀要 61 65-82, 2024-03
神戸大学大学院国際文化学研究科
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390581070839270528
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- NII書誌ID
- AN10436600
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- HANDLE
- 20.500.14094/0100487338
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- NDL書誌ID
- 033465370
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- ISSN
- 13405217
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- 本文言語コード
- en
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可