クリニカルパスを利用したDPCシミュレーション

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タイトル別名
  • Medical Fee Simulation of the Diagnosis Procedure Combination System Using Clinical Pathways
  • クリニカルパス オ リヨウ シタ DPC シミュレーション

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説明

<p> Diagnosis Procedure Combination(DPC)の導入に際し、当院での診療報酬の変化とその対応を検討することが必要となった。そこで、クリニカルパス36種とその適応症例334例につき、DPC方式と出来高方式における診療報酬額を診療行為ごとに比較し、診療収益の予測とその影響要因を検討した。</p><p> 診療報酬総額はDPC方式において4~6%増加することが予測され、DPC導入後9ヶ月間の実稼動額の分析から、このシミュレーション結果の正当性が実証された。DPC方式において診療報酬の相対的低下を来たす要因は、注射薬剤料、検査料、画像料の多さにあった。入院日数の長短は診療報酬の変化とは相関せず、むしろ入院日数を短縮することによる診療報酬の相対減少が数件のパスで認められた。手術的治療の有無も診療報酬の変化とは明らかな相関を示さなかった。</p><p> クリニカルパスは医療の質改善のみでなく、診療報酬のシミュレーション・ツールとして有用である。より多くの疾患にクリニカルパスを作成し、診療の標準化を推進することで、診療報酬制度の変化への速やかな対応が可能となる。</p>

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