膵島移植におけるコーディネーターの育成 ~教育を受けた立場から~

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抄録

<p>膵島移植は重症低血糖発作を伴うインスリン依存性糖尿病に対する治療であり、本邦では先進医療の下に2012年より31例の膵島分離と26例の膵島移植が行われている。膵島移植は組織移植の中では唯一全国対応を行っており、膵島移植施設は9施設、膵島提供の対応可能な組織移植コーディネーター(以下、膵島Co.)は12名であるが、そのほとんどは実践経験がなく研修中である。筆者は事務職として入局したが、前任の膵島Co.の退職を機に、入局した年に膵島Co.を引き継ぐことになった。当時、当バンクでは福岡県内の症例経験のみであったが、引き継いだ翌月には沖縄・関西と他府県の症例対応を経験することとなった。他施設の膵島Co.に同行し症例経験を積む中で、2018年に日本組織移植学会のコーディネーター認定を取得、ドナー家族の葛藤、移植医療の背景、膵島Co.の役割や苦悩を知った。また組織Co.は国家資格ではないため各組織移植施設での雇用形態は様々で確立していない。しかしながら、膵島Co.として継続して活動ができるのは、他施設の膵島Co.や他組織Co.との連携や指導、研修を継続的に受けることができ、当バンク・病院の全面的なサポートがあったからである。研修ではロールプレイや症例検討、記録の作成など多くを学んだ。今回は教育を受けた立場から、当時の研修内容と自己評価より、現在の取り組みを報告し、今後の後進の育成について検討する。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 58 (Supplement), s110_2-s110_2, 2023

    一般社団法人 日本移植学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390581148791681664
  • DOI
    10.11386/jst.58.supplement_s110_2
  • ISSN
    21880034
    05787947
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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