長期カテコラミン使用下の拘束型心筋症に対し心移植を行うも繰り返す出血イベントにより救命を得られなかった一例
説明
<p>患者は45歳男性。心内膜心筋線維症による拘束型心筋症の診断で心移植登録を行い、41歳時にEVAHEART2植込み、MAP、TAPを施行した。術後1年で右心不全増悪により入院し、以降カテコラミン依存となった。CVP上昇とLOSによる臓器障害は緩徐に進行したが、移植待機期間2573日、VAD補助期間1814日でマージナルドナー(搬送時間約4時間)による同所性心移植に到達した。心移植はmodified bicaval法で行われ手術時間10時間31分、ドナー心阻血時間336分であった。移植心機能は良好であったが、著明な出血傾向を認め止血に時間を要した。POD1に腹部の硬結を伴う血圧低下を認め、循環の破綻に対しVA-ECMOを導入した。穿刺で血性腹水を認め、試験開腹を施行した。3Lの血性腹水を認めたが、明らかな出血源なくECMOは離脱した。POD2に乳酸値上昇を伴う腹部膨隆を認め、造影CTで腹壁動脈からの造影剤漏出を認めた。再開腹し4Lの血腫除去、止血術を施行した。度重なる手術侵襲で肺水腫増悪し、POD3に低酸素による高度徐脈となり緊急でVA-ECMOを再導入したが多臓器不全により救命を得られなかった。術前右心不全による臓器障害を伴い移植に到達したが繰り返す腹腔内出血により救命できなかった症例を報告する。</p>
収録刊行物
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- 移植
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移植 58 (Supplement), s138_1-s138_1, 2023
一般社団法人 日本移植学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390581148791714944
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- ISSN
- 21880034
- 05787947
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可