コロナ禍での肺移植継続の工夫

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Abstract

<p>慢性呼吸器疾患患者はCOVID-19の重症化リスクが高いことが知られている. 特に肺移植待機患者では進行した慢性肺疾患を有しており, SARS-CoV-2感染により重症化するリスクが高いと考えられる. 肺移植後においても, 特に片肺移植の場合残存肺への感染を契機に重症化するリスクは高いと考えられる. また肺移植後は強力な免疫抑制治療を行うため, ワクチン接種において健常人と比較して効果が低いことが報告されている. 上記の理由から肺移植医においてもCOVID-19に対する予防・治療を理解しておくことが必要である. 一方で通常の呼吸器外科診療に加え肺移植術後管理を行うため, COVID-19診療に時間や労働力を多く割けないのが現状である. しかし, 当院は紹介元と移植後の管理を連携して行う症例も多いものの, 紹介元の肺移植後管理の経験等の兼ね合いから当院でCOVID-19診療を行うことも珍しくない. 当院では感染症科とも情報共有を行いつつ, 肺移植内科医がCOVID-19を発症した肺移植患者の管理を担当している. 特にCOVID-19診療・慢性呼吸器疾患診療双方に慣れている医師が科内に複数いることは肺移植後の管理上大きなメリットと考える. 肺移植後患者に発症したCOVID-19の治療成績を含め, 当院でのCOVID-19への取り組みについて文献的考察を交えて報告する.</p>

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