全自動化学発光酵素免疫測定システムを用いたTAC測定試薬「ルミパルスプレス iTACT タクロリムス」の有用性

DOI
  • 後藤 大希
    大阪大学医学部附属病院医療技術部検査部門
  • 高根 真希
    大阪大学医学部附属病院医療技術部検査部門
  • 金子 結
    大阪大学医学部附属病院医療技術部検査部門
  • 木村 茂樹
    大阪大学医学部附属病院医療技術部検査部門
  • 正司 浩規
    大阪大学医学部附属病院医療技術部検査部門
  • 上野 智浩
    大阪大学医学部附属病院医療技術部検査部門
  • 日高 洋
    大阪大学医学部附属病院臨床検査部

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抄録

<p>【目的】タクロリムス(TAC)測定は血球移行率が高いため除蛋白による前処理が必要である。そのため、不適切な前処理作業による測定過誤や測定者間差が問題視されている。新たに開発された「ルミパルスプレストiTACT タクロリムス」は攪拌機能とimmunoassay for Total Antigen including Complex via pretreatment(iTACT)法による除蛋白と抗原抗体反応を同時に行い、精度の高い測定が全自動で可能である。今回、その有用性を検証した。</p><p>【方法】本検討は大阪大学医学部附属病院倫理審査委員会にて承認(承認番号:22360)。</p><p>分析機器:ルミパルスL2400 (富士レビオ(株)) アーキテクトi1000SR(アボット(同))</p><p>試薬:検討法 ルミパルスプレスト iTACT タクロリムス(富士レビオ(株))従来法 アーキテクト・タクロリムス(アボット(同))</p><p>性能評価項目:併行精度、室内再現精度、希釈直線性、定量限界下限、Htの影響、従来法との相関性、移植臓器別の測定値の比較</p><p>【結果・考察】測定精度は従来法と同等以上の結果であり、相関性もn=149、r=0.99、y=0.99x+0.32(検討法 vs 従来法)と良好な結果であった。また、Htが20%と低値検体であっても測定可能であり、全自動前処理機能も十分な精度が確認できた。以上の結果からTAC測定試薬として有用性は高いと考えられる。今後、薬物代謝は個人や移植臓器ごとで異なるため免疫抑制剤内服後検体や移植臓器別の代謝産物量の違いに着目した追加の検証を行う。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 58 (Supplement), s240_2-s240_2, 2023

    一般社団法人 日本移植学会

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