COVID-19後に認めた急性T細胞関連型拒絶の治療後に慢性活動性T細胞関連型拒絶へ移行した生体腎移植の一例

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抄録

<p>【症例】25歳男性【現病歴】Alport症候群による腎不全に対し、X年3月に父親をドナーとするDSA陰性血液型適合生体腎移植を行った。1hr腎生検は異常所見なくCr1.4で推移していた。X年11月COVID-19罹患を機にCr3.6に上昇し腎生検を行った。広範に尿細管炎を認め、急性T細胞関連型拒絶(ATCMR; i2 t2 v0 g1 ptc2 ti2 i-IFTA3 C4d0 cg1b mm2 ah0 aah0 cv0 ci1 ct1 ptcbm0)と診断し、ステロイドパルスとサイモグロブリンを投与し、Cr4.68がCr3前後に改善した。X年12月の再生検ではIFTA病変が三次リンパ節様に限局化し、t-IFTAを認め慢性活動性T細胞関連型拒絶(CATCMR)(i1 t1 v1 g0 ptc1 ti2 i-IFTA2 C4d0 cg0 mm3 ah0 aah0 cv0 ci2 ct2 ptcbm1)と診断し、ステロイドパルスとグスペリムスを投与した。de novo DSA DQ6 MFI 3911も出現したため、慢性活動性抗体関連型拒絶の基準は満たさなかったが血漿交換とリツキシマブを投与した。X+1年1月の再々腎生検では線維化病変が主体となり尿細管炎残存のためステロイドハーフパルスを追加しCr3.6で経過している。全経過に渡りSV40染色は陰性であった。【考察】CATCMRの組織病変が形成される過程は明確になっていない。ATCMRからCATCMRへの移行は既報が無く、治療に伴う組織変化と考えられた。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 58 (Supplement), s241_3-s241_3, 2023

    一般社団法人 日本移植学会

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