臓器提供の現場負担軽減に向けた取り組み 電子カルテを利用した業務支援

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抄録

<p>【背景】A病院での脳死下臓器提供数は年間2例程度であり、業務時間に占める割合は大きくない。しかしながら、突発的に発生し、勤務時間超過を伴うことが多く、また、手順の確認等を行いながらの事例対応は、対応するスタッフの負担増となる。我々は、電子カルテを含む電子媒体で業務負担軽減に寄与できないかと考えた。【方法】電子カルテ、または電子媒体で提供過程を支援できるよう、いくつかのツールを整備した。整備、運用上の視点としては、院内コーディネーターや医師の記録の軽減や院内啓発を重視した。内容としては1.臓器提供の意思表示アイコンの明示、2. 専用テンプレートを用いたポテンシャルドナー情報の院内コーディネーター間共有、3.脳死とされうる状態の判断を明示する簡便な記録テンプレートの導入、4.職員への臓器提供啓発のためのe-ラーニング作成、を整備した。【結果】臓器提供意思表示アイコンは、家族による提供の意思表示が確認できた救急患者に使用されていた。また専用テンプレートは実際の運用に至らず、客観的な使用感について結果が得られていない。e-ラーニングの利用者は伸び悩んでいた。【結語】開発した臓器提供業務効率化のためのツールの周知、運用を行い、有効なツールとして利用できるよう院内外へ発信するなどを行う必要がある。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 58 (Supplement), s254_3-s254_3, 2023

    一般社団法人 日本移植学会

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