65歳以上生体腎移植の治療成績の検討:Michinoku Renal Transplant Network, MRTN

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抄録

<p>【目的】わが国の腎移植臨床集計報告では、生体腎移植レシピエント(KTR)の中で60歳以上が26.4%を占める。今回、我々は東北地域における高齢KTRの成績について検討した。【対象と方法】対象はMichinoku Renal Transplant Network, MRTNのデータベースに登録されたKTR643例中65歳未満の581例をA群、65歳以上の62例をB群とし腎移植後の生着率及び生存率を後方視的に検討した。【結果】KTR643例の年齢の中央値[IQR]は48歳(36~48)((A群:45歳[35~45]、B群:67歳[66~67])、性別は男性64.4%(A群:63.2%、B群:75.8%)、女性35.6%(A群:36.8%、B群:24.2%)、ABO不適合生体腎移植は25%(A群:23.4%、B群:35.5%)であり、観察期間は中央値88ヵ月(0.7-296.8ヵ月)であった。2群間の移植腎生着期間(death censored graft survival:DCGS)及び生存期間(overall survival:OS)をLog-rank testで検定した所OSに関してB群が短い傾向にあった(DCGS:p=0.186、OS:p=0.0007)が、傾向スコアマッチングを行った所、両群間に統計学的有意差を認めなかった(DCGS:p=0.567、OS:p=0.163)。【結論】65歳以上KTRにおいてDCGSは64歳未満KTRに比べ低くはなく、高齢腎不全患者に対しても生体腎移植がすすめられる。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 58 (Supplement), s256_2-s256_2, 2023

    一般社団法人 日本移植学会

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