SLE/ループス腎炎に対する当院における腎移植の検討

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抄録

<p>【目的】SLEの患者は本邦約6万人で約90%が女性である。また20-30歳代に好発し、SLE/ループス腎炎によるESKDに対する腎代替療法が必要となることがある。海外でも腎移植が安全に施行され、生存率やQOLの向上に関連している。そこで当院での症例を検討し報告する。【方法】当院にてSLE/ループス腎炎の患者に対して腎移植(すべて生体)をおこなった5症例を対象とし、治療方法(免疫抑制剤の種類、リツキシマブの使用、血漿交換など)治療経過、治療成績を検討する。【成績】性別はすべて女性で、年齢の中央値は36歳(33-42歳)。PEKT症例は2例、透析症例3例(透析期間12-25カ月)。血液型適合1例、不一致2例、不適合2例であった。DSA陽性1例、抗リン脂質抗体症候群1例に施行していた。免役抑制剤としてCNI(タクロリムス4例、シクロスポリン1例)、MMF5例、メドロール4例、エベロリムス3例に使用していた。全例でシムレクトを使用し、リツキシマブを3例に併用した。現在までの観察期間は、中央値23.5か月(9-183か月)で全例が生存・移植腎生着中で、ループス腎炎の再発を認めていない。【結論】当院での治療成績を報告したが、治療経過も良好であった。SLEの活動性がコントロールできていれば、先行的腎移植であってもSLEの再燃なく施行可能であった。若干の文献的考察を加えて報告する。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 58 (Supplement), s262_3-s262_3, 2023

    一般社団法人 日本移植学会

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