ABO不適合生体腎移植の術後ウイルス感染症と予後の検討

DOI

この論文をさがす

抄録

<p>【背景】ABO不適合腎移植はドナー選択の柔軟性、移植待機時間の短縮などに関与し、腎移植の普及拡大貢献している。しかし、血漿交換やRituximab投与によるウイルス感染症の増加が懸念されている。【方法】北東北4県(青森、秋田、岩手、山形)の移植施設で構築した、みちのく腎移植ネットワーク(MRTN)に登録された生体腎移植患者の症例643名(1998-2021年)を対象とした。患者をABO適合とABO不適合腎移植の2群に分け、両群の背景を評価した。また、2群間の術後ウイルス感染症(サイトメガロウイルス、BKウイルス)発症率、グラフト生着期間、全生存期間の比較検討をした。【結果】643人中485人(75%)がABO適合、158人(25%)がABO不適合であった。Rituximab使用と血漿交換の有無では有意にABO不適合で多かった。術後ウイルス感染症はABO適合で48%、ABO不適合で61%と有意にABO不適合で多かったが、2群間の生存時間解析ではグラフト生着期間、全生存期間に有意差はなかった。【結語】ABO不適合腎移植では術後ウイルス感染症のが有意に多いものの、グラフト生着期間と全生存期間には有意差がなかった。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 58 (Supplement), s268_1-s268_1, 2023

    一般社団法人 日本移植学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ