肝臓移植医療における診療看護師(NP)の役割

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抄録

<p>【序論】FNP(Fujita Nurse Practitioner)は、医師不在時にも実施できる21区分38行為の特定行為と、医師監督下であればほぼ医師と同等の診療行為が実施できる相対的医行為が許可されている。2018年度から総合消化器外科にFNPが専属配属となり、様々な周術期管理をチームの一員として行っている。肝移植医療におけるNPの役割について活動実績より考察した。【結果・考察】NPの活動内容として1) 多職種術前カンファレンス参加による情報の共有、2)肝移植手術時の第二助手や閉創、灌流液準備など手術支援、3)日々の移植後肝臓超音波による血流評価、4)特定行為の実施、5) 医師不在時の検査・投薬などの代行入力、6)患者への精神的支援を含めた援助、7)治療経過や方針の多職種への情報共有などがある。直近、生体肝移植15症例におけるNPの手術参加時間は63/198時間であった。超音波血流評価の実施回数は774回/24か月(平均8回/週)であった。肝移植特有の真菌感染・ウィルス感染などの情報共有も担当した。同期間の特定行為件数は4748件/24か月(平均49件/週)であった。NPは日常的に医師と密に治療経過や方針を共有していることで、医師不在時にもNPが対応可能であり、そのことでタイムリーな医療提供への一助となっている。【結論】医師と共にNPが肝臓移植患者に関わることで、様々なタスクシフティングが可能であり、肝胆膵・移植領域での医師の働き方改革の一助となると思われる。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 58 (Supplement), s277_1-s277_1, 2023

    一般社団法人 日本移植学会

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