慢性膵炎膵島分離におけるGrimontia hollisae由来コラゲナーゼの有用性
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抄録
<p>【目的】慢性膵炎に対する膵全摘後自家膵島移植の臨床応用が進んでいるが、線維化が進行した膵からの膵島分離が困難であることが課題である。近年開発されたG hollisae 由来のリコンビナントコラゲナーゼ(ブライターゼ)は、従来の酵素で消化困難なタイプのコラーゲンの消化が可能である。我々はマウス慢性膵炎モデルを作成・解析し、ブライターゼの膵島分離・移植における有用性を検証した。【方法】C57BL/6マウスにセルレインを腹腔内投与して慢性膵炎モデルを作成した。慢性膵炎膵臓の繊維量とコラーゲン型を解析した。B群・C群・L群の3種のコラゲナーゼを用いて慢性膵炎マウスから膵島分離を行い、同種同系STZ誘導糖尿病マウスの腎被膜下に200IEQ膵島を移植した。【結果】アミノ酸分析により慢性膵炎マウスの膵臓は正常の5倍コラーゲン量が多く、コラーゲン型組成も変化していた。慢性膵炎マウス(各群n=16)の膵島分離結果では、B群・L群はそれぞれC群より膵島収量が有意に良好であった。酵素溶液濃度あたり膵島収量でB群はL群より有意に良好であった。膵島移植結果においてはB群が最も良好な傾向を示した。【結語】慢性膵炎ではコラーゲン量の増加と型組成の変化が生じる。従来のコラゲナーゼが切断しにくいコラーゲンも切断が可能なブライターゼは、慢性膵炎に対する膵島分離・自家膵島移植において有用である可能性が示唆された。</p>
収録刊行物
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- 移植
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移植 58 (Supplement), s293_1-s293_1, 2023
一般社団法人 日本移植学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390581148792030592
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- ISSN
- 21880034
- 05787947
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可