軽度のドナー心由来冠動脈病変が遠隔期冠動脈イベント発生に与える影響の検討

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抄録

<p>【背景】軽度のドナー心由来冠動脈病変(DA)が冠動脈イベントに与える影響は明確でない。【目的】軽度DAと心臓移植後遠隔期の冠動脈イベント発生との関連を検討すること。【方法】当院および大阪大学で1999年から2015年2月までに心臓移植が施行され、移植後8年以上生存した126例のうち、移植後3か月以内の冠動脈造影で国際心肺移植学会の分類(ISHLT-CAV)が病変なし(CAV0)または軽度(CAV1)であった108例を対象とした。複合エンドポイントは心筋梗塞発症、PCIおよびCABG施行とした。【結果】レシピエントの移植時平均年齢はCAV0群(n=90)とCAV1群(n=18)で、38±13 vs 34±12 歳、性別は男性68例(76%) vs 15例(83%)で有意差はなかった。一方で、ドナー年齢はCAV1群で有意に高齢[39±12 vs 47±9歳(p<.05)]であり、8年間での冠動脈イベントも有意にCAV1群が多かった(イベント回避率83% vs 99%, p<.01)。【結語】病変がない場合と比較し、軽度のドナー心由来病変でも冠動脈イベント発生率は有意に高かった。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 58 (Supplement), s299_2-s299_2, 2023

    一般社団法人 日本移植学会

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