秋田大学における腎移植後貧血(PTA)に対するHIF-PH阻害薬の使用経験

DOI
  • 青山 有
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 齋藤 満
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座 秋田大学医学部附属病院 血液浄化療法部 秋田大学医学部附属病院 腎疾患先端医療センター
  • 森 瑞季
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 提箸 隆一郎
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 山本 竜平
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座 秋田大学医学部附属病院 腎疾患先端医療センター
  • 藤山 信弘
    秋田大学医学部附属病院 腎疾患先端医療センター
  • 小林 瑞貴
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 奈良 健平
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 沼倉 一幸
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 成田 伸太郎
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 羽渕 友則
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座

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抄録

<p>【目的】腎移植後貧血(PTA)に対する治療はエリスロポエチン製剤 (ESA)が主体であるが、ESA抵抗性貧血を呈する症例が存在する。近年、ESA抵抗性PTAに対するHIF-PH阻害薬の有効性が報告されている。今回、当院でPTAに対しHIF-PH阻害薬を使用した経験について報告する。【対象と方法】対象は腎移植後に当院でHIF-PH阻害薬を投与した48例。当院ではESA高用量でも貧血が改善しない症例(ESA抵抗性PTA)、ESA投与のために受診間隔が延長しにくい症例をHIF-PH阻害薬の適応としている。平均年齢61歳、39例がESAからの切り替え症例であった。HIF-PH阻害薬はロキサデュスタット(19例)、ダプロデュスタット(26例)、エナロデュスタット(11例)を使用し、投与開始後1、3、6、9、12ヶ月時点で投与開始前の検査値との比較を、また薬剤間での比較を行った。投与中止となった15例のうち、有害事象による中止は5例であった。【結果】投与開始後1、3、9、12ヶ月継続時点で、開始前と比較し平均ヘモグロビン(Hb)値の有意な増加を認め(p<0.05)、全観察期間を通して鉄利用能の改善傾向がみられた。薬剤間の検査値の比較では、ロキサデュスタット群において投与開始後早期からHb値が上昇する傾向にあった。重篤な有害事象として1例に肺梗塞を認めた。【考察】ESA抵抗性を有するPTA症例においても、HIF-PH阻害薬の導入により貧血改善、鉄利用能改善が期待できる。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 58 (Supplement), s333_1-s333_1, 2023

    一般社団法人 日本移植学会

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