離婚によって親権を失った母親の苦悩と葛藤のプロセス -複線径路等至性アプローチを用いた分析-

書誌事項

タイトル別名
  • Anguish and Conflict Process of a Mother Who Lost Custody of Her Children due to Divorce: An Analysis Using the Trajectory Equifinality Approach
  • リコン ニ ヨッテ シンケン オ ウシナッタ ハハオヤ ノ クノウ ト カットウ ノ プロセス : フクセン ケイロ トウ シ セイ アプローチ オ モチイタ ブンセキ

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説明

離婚して親権を失い子どもと一緒に暮らせなくなった女性1 名(A さん)にインタビュー調査を行い,その苦悩と葛藤のプロセスを複線径路等至性アプローチによって分析した。公的機関や社会システムはA さんと子どもが会うことのできる方向に働く力にはなっておらず,子どもが母に会いたいという思いと子どもの成長が,A さんと子どもを結びつける力となっていた。また,別居親が社会からも同居親からも抑圧を受け,強い精神的苦痛を感じていることが明らかになった。アドボカシーの観点から,心理支援者は被支援者の内面的な変容のみを目指すのではなく,周縁化された人々を疎外している社会構造そのものにも働きかける必要があることが示唆された。

収録刊行物

  • 人間科学

    人間科学 (44), 61-88, 2024-03

    琉球大学人文社会学部

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