カラムナー性をもつリンゴ盛岡74号において当年生苗へのジベレリン施用が翌年の新梢伸長と花芽形成に及ぼす影響

  • 馬場 隆士
    農業・食品産業技術総合研究機構果樹茶業研究部門
  • 守谷 友紀
    農業・食品産業技術総合研究機構果樹茶業研究部門
  • 花田 俊男
    農業・食品産業技術総合研究機構果樹茶業研究部門
  • 岩波 宏
    農業・食品産業技術総合研究機構果樹茶業研究部門

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Gibberellin Application to Current-year Saplings on Shoot Elongation and Flower Bud Formation in Following Year in Columnar Apple Morioka No. 74

抄録

<p>近年選抜された果実品質が優良なカラムナータイプ盛岡74号において,ジベレリン施用により育苗1年目に生育を促進した場合,翌年の苗の生育がどのような影響を受けるか解明することを目的とした.1年生苗の移植を行わなかった場合,育苗1年目のGAペーストの施用は,翌年の主幹延長枝の伸長量を減少させる一方,花芽形成を増加させた.この主幹延長枝の成長抑制は,翌年にもGAペーストを塗布することで克服された.しかし,2年連続で施用した苗と2年目にのみ施用した苗の間で樹高には差がなく,2年育苗では2年目のみ施用する方が実用的と考えられた.1年生苗を移植(定植)した場合でも,1年目のGAペーストあるいはジベレリン液剤の施用は,2年目の主幹延長枝の伸長量を低下させた.しかし,無施用の苗と比べると,施用した苗の方が2年目生育終了後の樹高が大きく,側枝や花芽も増加していた.接ぎ木当年にあたる1年目のジベレリン施用は,穂木乾物重を増加させる一方で根乾物重を低下させていたため,ジベレリンを施用しなかった苗では,根量が多いために移植による損傷を受け,翌年の生育抑制がおきやすいと推察された.これらの結果から,1年育苗でも,ジベレリンの施用による成長促進は,初期の樹冠拡大や着果部位の増大に対する有効性があると考えられた.</p>

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 23 (1), 1-6, 2024

    一般社団法人 園芸学会

参考文献 (4)*注記

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