α-グルコシダーゼ阻害薬の関与が疑われた腸管囊腫様気腫症の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Pneumatosis Cystoides Intestinalis Caused by α-glucosidase Inhibitor Treatment
  • a-グルコシダーゼ ソガイヤク ノ カンヨ ガ ウタガワレタ チョウカンノウ シュ ヨウキシュショウ ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は77歳,男性。糖尿病のコントロールが不良でα-グルコシダーゼ阻害薬(alpha-glucosidase inhibitor:以下,α-GI)であるボグリボースを半年前に追加された。10日前から腹部膨満が悪化し腹痛を伴うため当院へ紹介された。腹部膨満があり腹部全体に圧痛を認めたが腹膜刺激症状は認めなかった。血液生化学検査やガス分析でも異常を認めなかったが,CTで腸間膜および腸管の気腫と腹腔内遊離ガスが著明で腸管穿孔を否定できず審査腹腔鏡を行った。小腸壁の色調は良好で肉眼的に穿孔を認めなかったため腸管囊腫様気腫症(pneumatosis cystoides intestinalis:以下,PCI)と診断,骨盤底にドレーンを留置し手術を終了した。術後経過は良好で第9病日に退院した。PCIを生じさせる薬剤としてはα-GIによるものがもっとも多く,本邦で32例の報告があったが予後は良好で死亡例はなかった。α-GIを内服している患者ではPCIが発症する可能性があることを念頭に置くべきであると考えられた。</p>

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