研究討議会における講師の役割期待から考察する授業研究の今日的機能

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タイトル別名
  • オートエスノグラフィーによる批判的省察

抄録

本論文の目的は、教師が研究討議会に期待する役割を、講師に招聘された「私」の役割期待から「私」との関係性を考慮に入れたオートエスノグラフィーの手法を用いて迫り、授業研究の今日的機能を検討することである。授業研究は教師の力量形成や専門性向上、教育実践の改善に寄与する機会であるため、研修として位置付けられた授業研究会の講師には専門知識の提供や理論と実践の往還を期待していると推測していた。分析から、研究討議会はオフィシャルな教師間のコミュニケーションの場として機能し、学校単位での研究討議会では同僚性や関係性の構築及び教師文化の共有・継承が重要視されていた。講師である「私」には協働への労いと意義づけが期待されており、そこから、帰属意識の醸成と教職アイデンティティの確立が、求められる機能であると推察された。講師の役割は、組織のもつ文化の共有度合いと「私」との関係性に影響を受け、専門的知見の提供が歓迎されないことも示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390581148794108544
  • DOI
    10.51006/jsira.6.0_151
  • ISSN
    24365009
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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