骨粗鬆症検診の女性を対象としたFracture Risk Assessment toolの有用性について -骨粗鬆症の早期発見に関する検証-

DOI
  • 伍賀 伊織
    医療法人幸仁会 堀中病院 リハビリテーション科
  • 旭 竜馬
    日本保健医療大学 保健医療学部
  • 板垣 環
    医療法人幸仁会 堀中病院 リハビリテーション科
  • 木村 敏之
    医療法人幸仁会 堀中病院 リハビリテーション科
  • 堀中 晋
    堀中病院 整形外科
  • 中村 豊
    東埼玉総合病院 埼玉脊椎脊髄病センター
  • 金井 優宜
    東埼玉総合病院 埼玉脊椎脊髄病センター
  • 浅野 聡
    東埼玉総合病院 埼玉脊椎脊髄病センター

抄録

<p>【はじめに、目的】</p><p> 骨粗鬆症の早期発見には、地域における検診が重要であり、要介護率と骨粗鬆症検診率は負の相関関係があることが示されている。健康増進法に基づく骨粗鬆症検診は、骨量測定や問診が必須項目であり、地域によって検診率が大きく異なる。検診率の向上を図り、骨粗鬆症の早期発見につなげるためには、スクリーニングの簡便化が求められる。本研究では一次検診と二次検診受診者を対象に骨粗鬆症を予測する要因を探索的に検討した。 </p><p>【方法】</p><p> 対象は2018年度・2019年度に幸手市の骨粗鬆症検診に参加した40歳以上の女性1529名のうち一次検診(橈骨DXA)にて正常 ・要指導と要精検者を判定した。測定項目は握力、歩行速度、 skeletal muscle mass index(SMI)、ロコモ25点、2ステップ値、立ち上がりテスト、phase angle(PA)、fracture risk assessment tool(FRAX)、peak expiratory flow rate(PEFR)、 body mass index(BMI)の測定を行った。また、質問紙にて過去 の最大身長から現在の身長を除した身長低下について確認した。医療機関受診にて骨粗鬆症と診断された者を骨粗鬆症群、診断 されなかった者を非骨粗鬆症群の2群に分類した。統計解析は、骨粗鬆症の有無を従属変数、各測定項目を独立変数とし、二項ロジスティック回帰分析を実施した。 </p><p>【結果】</p><p> 幸手市における検診率は約10%であった。正常または要指導者が739名、要精検者が790名、要精検者のうち受診勧奨した上で医療機関受診者は491名であった。一次検診にて全項目が測定できた参加者は549名(骨粗鬆症と診断された者176名(骨粗鬆症群)、骨粗鬆症の診断されなかった者373名(非骨粗鬆症群)であった。二項ロジスティック回帰分析にて骨粗鬆症と予測する因子としてFRAX(Odds ratio(OR)=1.057、95% Confidence interval(CI)=1.031-1.084、r<0.001)、SMI(OR=0.552、 95%CI=0.36-0.847、r=0.006)が抽出された。 </p><p>【考察】</p><p> 女性において骨粗鬆症のスクリーニングとしてFRAXとSMIの骨粗鬆症を判定する上での有用性を明らかにした。 </p><p>【結論】</p><p> 骨粗鬆症の早期発見にFRAXとSMIが使用できることが示唆された。 </p><p>【倫理的配慮】</p><p>本研究はヘルシンキ宣言を遵守し、日本保健医 療大学研究倫理委員会の承認を得て行われた (承認番号P3001)。本研究の主旨と目的などを事前に対象者へ説明を行い、書面にて同意を得た。</p>

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