ショッピングモールで開催するフレイル予防イベントの実践報告

DOI
  • 田中 渉
    小松ソフィア病院 リハビリテーション科 街の保健室 ソフィアテラス
  • 荒尾 智史
    小松ソフィア病院 リハビリテーション科 街の保健室 ソフィアテラス
  • 徳田 佳奈
    小松ソフィア病院 栄養科 街の保健室 ソフィアテラス

抄録

<p>【はじめに、目的】</p><p> 当院に隣接するショッピングモールは週に1回の頻度でウォーキング教室を開催しており、当院の理学療法士が参加者にウォーキングや運動の指導、健康相談を実施している。ウォーキング教室の参加者は日常的に買い物や社会交流をしているが、加齢因子からフレイルリスクに直面している人も多い。そこで、ウォーキング教室の参加者を対象にフレイルの理解を深めるためのイベントを開催した。 </p><p>【方法】</p><p> フレイル予防のイベントは月に1回の頻度で合計6回開催した。毎回のテーマは以下の6つである。(フレイルチェック、筋力テスト、フレイルと栄養、タンパク質と食事の工夫、2ステップテスト、嚥下テスト) イベント開催後にアンケートでフレイルや栄養について尋ねた。アンケートは第1回、第5回、第6回のイベント参加者に実施し た。質問項目は、フレイルを知っているか、フレイルチェックを人に伝えようと思うか、タンパク質を食べる習慣を実践しているか、興味がある栄養のテーマについて(7つのテーマから複数選択可)、である。 </p><p>【結果】</p><p> イベントの参加者は6回で延べ人数117人であった。 第1回イベント後のアンケートでは、「フレイルを知っているか」の質問に対して、前から知っていた(6/15人)、聞いたことはあるがあまり知らなかった(4/15人)、聞いたことがなかった (5/15人)であった。「フレイルチェックを人に伝えようと思うか」の質問に対して、思う(12/15人)、思わない(1/15人)であった。 第5回イベント後のアンケートでは、「タンパク質を食べる習慣を実践しているか」の質問に対して、以前から食べている (13/16人)、栄養の話を聞いてから食べるようにしている(1/16人)、あまり食べていない(1/16人)であった。 第6回イベント後のアンケートでは、「興味がある栄養のテーマ」について多く選択された上位3つは、腸活(13/19人)、骨粗鬆症(13/19人)、高血圧と減塩(12/19人)であった。 </p><p>【考察】</p><p> イベントではフレイルチェックや運動機能のデータを参加者から入手しておらず、フレイルとの関連について十分な報告は行えない。ショッピングモールで開催しているウォーキング教室の参加者は、フレイルを十分に理解しているわけではないが、タンパク質を食べる習慣を実践しており、栄養に興味を持っている人が多いことが示唆された。今後もフレイル予防や生活習慣病予防の啓発として運動と栄養をテーマにしたイベントを継続していく。 </p><p>【倫理的配慮】</p><p> アンケートは無記名で実施し、個人情報は厳重に保護された状態で使用することを口頭で説明し同意を得た。</p>

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