地域在住の中高年女性においてロコモティブシンドロームと睡眠の質の低下の組み合わせは転倒の発生と関連する

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抄録

<p>【背景】</p><p>ロコモティブシンドローム (LS)と睡眠の質の低下 (PSQ)はそれぞれ女性に多く、また転倒の発生に関係している。特に、両者が同時に存在する場合は、高齢期のみならず中年期から転倒し骨折に至る可能性がある。本研究の目的は、地域在住の中高年女性を対象として、LSおよびPSQの組み合わせが転倒の発生と関連しているかを検討することである。 </p><p>【方法】</p><p>対象は、J-MICC study京都フィールドの二次調査に参加した地域在住の中高年女性2233例とした。LSは立ち上がりテスト、2ステップテスト、25-question Geriatric Locomotive Function Scaleを用いて、その有無を判定した。PSQはピッツバーグ睡眠質問票で評価し、6点以上をPSQありと定義した。対象をLSの有無とPSQの有無により、4つのカテゴリー (LS-/PSQ-、LS+/PSQ-、LS-/PSQ+、LS+/PSQ+)に分類した。また、対象の過去1ヶ月間の転倒歴についても調査した。 </p><p>【結果】</p><p>転倒歴がある女性は、ない女性と比較して有意に高齢で (P<0.001)、LSとPSQの割合はそれぞれ高かった (P<0.001とP=0.002)。転倒発生を従属変数とし、潜在的な交絡因子を調整したロジスティック回帰分析において、LS+/PSQ-と LS-/PSQ+はLS-/PSQ-と比較した場合にそれぞれ転倒に関連していなかったが、LS+/PSQ+はLS-/PSQ-と比較して、有意に転倒発生と関連していた (OR:1.92,95%CI:1.01-3.65,P<0.05)。 </p><p>【結論】</p><p>LSとPSQの組み合わせは、地域在住の中高年女性において転倒発生に有意に関連していた。 </p><p>【倫理的配慮】</p><p>本研究は、京都府立医科大学の倫理委員会 (承認番号、ERB-E-36)の承認を得て、ヘルシンキ宣言の原則に従って実施された。すべての対象には本研究の説明がされ、書面による同意を得た。</p>

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