東京都足立区在住高齢者における歩行速度低下の因子の検討
Description
<p>【はじめに、目的】</p><p> 歩行速度の低下はフレイルの評価基準に含まれ、高齢者の生活 自立度やQOLに関与する。高齢者の歩行速度の低下には、膝伸展筋力の低下、足趾把持力の低下、バランス能力の低下が関与することが報告されている(森等,2019)。また、歩幅や歩行率 等との関連も挙げられている(臼田等,1999)。今回、東京都足立区在住高齢者の歩行速度低下に影響する要因を明らかにし、今後の足立区における介護予防活動に繋げることを目的とした。 </p><p>【方法】</p><p> 足立区で実施されている「はじめてのフレイル予防教室」等を利用し、研究概要の説明を行い研究の募集を行った。調査項目は基本情報(性別・年齢・身長・体重)、筋力(握力・膝伸展筋力 )、5m歩行速度(快適・速歩)、バランス能力(Timed Up and go test・開眼片足立位時間)、身体活動量(歩数・消費エネルギー)、 Falls Efficacy Scale(FES)、Gait Eifficay Scale(GES)、Life Space Assessment(LSA)、European Healthn Literacy Survey Questionnaire(HLS-EU-Q47)とした。身体活動量は、5日分のデータから最低・最大の2日分を除いた3日分のデータから1日平均の身体活動量を算出。5日分のデータが測定できていない場 合は、測定できたデータから1日平均を算出した。統計解析は、 Pearsonの積率相関係数とSpearmanの順位相関係数を用いた。 </p><p>【結果】</p><p> 対象者は足立区在住の23名(男性6名、女性17名、80.0±5.7歳)。 5m歩行速度の平均は快適歩行4.18±0.83秒、速歩3.28±0.6秒 であった。快適歩行速度とTUG(r=0.785)、FES(r=-0.618)、 GES(r=-0.552)、速歩歩行速度と膝伸展筋力(r=-0.597)、 TUG(r=0.732)、GES(r=-0.548)、LSA(r=-0.577)(p<0.01)、 HLS-EU-Q47(r=0.414)(p<0.05)の有意な相関がみられた。 </p><p>【考察】</p><p> 自立歩行には特に大腿四頭筋筋力との関連が深いことが報告されており(櫻井等,2017)、本研究でも膝伸展筋力と歩行速度との間に有意な相関がみられた。膝伸展筋力は歩行速度の維持に重要な要素であると考えられる。また、歩行速度が速い人ほど転倒しない自信が強く、ヘルスリテラシーが高く、生活範囲が拡大していることが分かった。 </p><p>【結論】</p><p> 今回、歩行速度と膝伸展筋力、バランス能力、転ばない自信、ヘルスリテラシー、生活の広がりとの関係性を示すことができた。足立区における今後の介護予防活動では、歩行速度の維持 ・改善に対するアプローチのみならず、生活範囲の拡大に繋がるアプローチが必要であると考えられる。 </p><p>【倫理的配慮】</p><p>本研究は、帝京科学大学研究倫理審査委員会にて承認された (承認番号21A030)。研究に関する十分な説明をし、書面にて同意を得られた者を対象とした。</p>
Journal
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- Japanese Society of physical therapy for prevention (supplement)
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Japanese Society of physical therapy for prevention (supplement) 2.Suppl.No.1 (0), 206-206, 2024-03-31
Japanese Society of physical therapy for prevention
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390581148794183296
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- ISSN
- 27587983
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
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- Abstract License Flag
- Allowed