訪問リハビリテーションにおける要支援高齢者の身体活動量計を用いた評価の有用性
抄録
<p>【はじめに、目的】</p><p> 訪問リハビリテーションでは,利用者の精神・運動機能やADL 能力などを評価し,利用者の身体機能を把握している。しかし,従来の評価方法では測定に多くの時間を要することや評価場所の確保が容易ではないため,定期的な評価になってしまい,連続的に利用者の身体機能を把握することが難しいという課題がある。本研究では,訪問リハビリテーションにおける要支援高齢者を対象に,身体活動量計を用いた介護予防アプローチの有用性を検証した。 </p><p>【方法】</p><p> 対象は訪問リハビリテーションを利用している施設入所中の要支援高齢者6名 (87.2±8.9歳;男性1名・女性5名)であり,介 護度は要支援1が2名,要支援2が4名,MMSEは27.5±3.8点で,すべての対象者は屋内歩行が自立レベルであった。従来の運動機能評価として,下肢機能指標 (SPPB),歩行能力指標 (10m歩行速度),ADL能力指標 (FIM)を評価した.また,これらの指標に加えて,身体活動量評価の指標として歩数,座位活動時間 (1.5METs以下),低強度活動時間 (1.6METs~2.9METs),中高強度活動時間 (3.0METs以上)を身体活動量計 (Active style Pro HJA-750C:オムロンヘルスケア)を用いて7日間測定し,1日あたりの平均値を算出した。 </p><p>【結果】</p><p> 従来の身体機能評価では,SPPBは10.7±1.9点,10m歩行速度は9.6±0.9秒,FIMは114.2±9.5点であり,すべての項目で良好な結果が得られた。一方,身体活動量の評価では,歩数は 1734.5±835.6歩,座位活動時間は801.1±171.5分,低強度活動時間は196.4±73.5分,中高強度活動時間は4.9±2.4分であり,低活動状態であることが確認された。 </p><p>【考察】</p><p> 本研究の対象者は運動機能評価では良好な結果を示しているにも関わらず,身体活動量評価においては座位活動時間が非常に長く,更に低強度活動時間および,中高強度活動時間は極めて短い状態であることから要支援高齢者では運動機能が身体活動量と直結しないことが明らかとなった。したがって,訪問リハビリテーションにおいて,身体活動量計を用いて利用者の活動量を経時的な評価を行うことは,効果的な介護予防のアプローチへつながる有用な方法であると考えられた。 </p><p>【倫理的配慮】</p><p>個人情報の取り扱いはヘルシンキ宣言に基づき,対象者に口頭及び書面で説明し,同意を得た。</p>
収録刊行物
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- 日本予防理学療法学会 学術大会プログラム・抄録集
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日本予防理学療法学会 学術大会プログラム・抄録集 2.Suppl.No.1 (0), 21-21, 2024-03-31
日本予防理学療法学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390581148794185728
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- ISSN
- 27587983
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可