病院所属の理学療法士派遣による自費リハビリテーションの事業展開

DOI
  • 松本 武士
    浜松市リハビリテーション病院 リハビリテーション部
  • 鈴木 章紘
    浜松市リハビリテーション病院 リハビリテーション部
  • 山下 徹
    浜松市リハビリテーション病院 リハビリテーション部
  • 森下 一幸
    浜松市リハビリテーション病院 事務部
  • 池谷 正和
    浜松市リハビリテーション病院 事務部
  • 池田 孝行
    聖隷福祉事業団 保健事業部 聖隷予防検診センター
  • 鈴木 希功子
    聖隷福祉事業団 保健事業部 聖隷予防検診センター
  • 橋口 しのぶ
    聖隷福祉事業団 保健事業部 聖隷健康診断センター

抄録

<p>【はじめに、目的】</p><p>当院は、 (社福)聖隷福祉事業団が運営する回復期病院で180床の回復期病棟を有し、地域の回復期リハビリテーションの中隔を担っている。また、外来リハビリテーション (以下:外来リハ)や、みなし事業所として通所リハビリ (以下:通所リハ)も展開している。 外来リハ・通所リハの課題として、2006年4月のリハビリ継続期間の日数制限措置や、2019年4月の要介護被保険者の医療保険下での外来リハ利用制限開始など、リハビリ提供の頻度・期間に制限が生じている。それに対し当院では、患者・利用者の 「もっとリハビリを継続したい、良くなりたい」と言う声に応えるサービスとして、自費によるリハビリテーションを2021年より開始したため、実績・課題についてまとめ報告する。 なお、本発表に際し当院倫理委員会にて審査・承認を得た。</p><p>【方法】</p><p>自費リハビリテーションは「SEIREIメディカルフィットネス ( 以下:MF)」の呼称で2021年4月から開始した。MFは法人内にて健診等の自費サービスを展開している保健事業部と連携し、当院から理学療法士 (以下:PT)を派遣する運用で実施した。派遣頻度は、2箇所のフィットネスルームに2~3名のPTを週3回、計14枠/週の予約枠を設けて行った。価格は60分間のマンツーマン指導で8,800円 (税込)とした。</p><p>【結果】</p><p>2021年4月~2023年3月でMFを利用した延べ人数は42名 (男性19名、女性23名)であった。MF利用に至った経緯は、外来リハ利用者9名 (21.4%)、通所リハ利用者18名 (42.9%)、主治医からの勧め3名 (7.1%)、チラシ3名 (7.1%)、知人紹介6名 (14.3%)であった。年齢は50代~70代で80%を占めていた。疾患内訳は中枢16名 (38.1%)、整形20名 (47.6%)、スポーツ6名 (14.3%)であった。総利用者数のうち23名 (54.8%)で長期利用希望が得られた。2年間での総利用回数は661回で、事業収益は2021年度:235万円、2022年度:350万円であった。</p><p>【考察】</p><p>「リハビリ難民をゼロに!」というコンセプトの元に開始した MF事業は、外来・通所リハの利用制限越えの方の新たなリハビリ継続の機会として活用可能であり、ニーズも高いことが把握できた。今後は外部からの利用者を増やし地域貢献できるよう、広報や人材育成を進めていく予定である。</p>

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