Modified Prone Press Up Testの再現性の検討

DOI
  • 佐藤 嶺
    社会医療法人仁生会 西堀病院 リハビリテーション課
  • 田村 祐輔
    社会医療法人仁生会 西堀病院 リハビリテーション課
  • 竹内 光
    医療法人社団山樹会 平山医院 リハビリテーション部
  • 藤田 亮介
    医療法人社団山樹会 平山医院 リハビリテーション部
  • 中島 和哉
    医療法人社団山樹会 平山医院 リハビリテーション部
  • 村上 正和
    日本医療大学 保健医療学部 リハビリテーション学科

抄録

<p>【はじめに、目的】</p><p> 理学療法士が介護予防事業に注力している昨今,実績報告から質を求められるよう変化してきた.介護予防事業の対象は高齢者が多く,加齢に伴う様々な身体機能低下が生じ,脊椎変形による姿勢不良者も多い.腰椎前彎角よりも胸椎後彎角が転倒に影響するという報告もあり,我々は胸椎後彎角の評価法に着目した .Prone Press Up Test(以下,PPUT)は脊柱伸展可動性の評価法であるが,再現性を検証した報告はなく,また,胸腰椎を複合的に評価している可能性が考えられる.よって,より胸椎可動性を選択的に評価できる方法としてModified Prone Press Up Test(以下 ,MPPUT)を考案した.本研究目的は,簡便な胸椎可動性の評価指標としての有用性を検証する前段階としてPPUT, MPPUTの再現性を検証することにある. </p><p>【方法】</p><p> 当院に在籍する男性職員33名のうち,除外基準に該当しない27名とした.検者内信頼性は検査者1名が被験者に対してPPUTおよびMPPUTを測定した.1回目と2回目の測定には1日以上空け,検査時間および場所は同一とした.検者間信頼性は検査者2名が同一被験者を測定し,同一日の測定を避けた.統計解析は Shapiro-Wilk検定にて正規性を確認した後に,級内相関係数 ICC(1;1)およびICC(2;1)にて検証し,危険率5%未満を有意とした. </p><p>【結果】</p><p> PPUT検者内信頼性では平均値(cm)±標準偏差にて1回目(38.2 ±6.4),2回目(39.5±6.2)であり,ICC(1;1):.81(<.01),検者間信 頼性では検査者Ⅰ(38.2±6.4),検査者Ⅱ(41.0±7.0)であり ICC(2;1):.63(<.01)であった.MPPUT検者内信頼性では平均値 (cm)±標準偏差にて1回目(30.3±3.1),2回目(30.2±3.1)であり,ICC(1;1):.99(<.01)であった.検者間信頼性では検査者Ⅰ(30.3 ±3.1),検査者Ⅱ(30.1±3.4)でありICC(2;1): .95(<.01,)であり,い ずれもMPPUTで高い再現性を認めた. </p><p>【考察】</p><p> MPPUTはPuppy肢位からの脊柱最大伸展であり,骨盤と床面が接地しているため腰椎の可動性が反映されず,胸椎の選択的な可動性を示しているため高い再現性を認めたと考える. </p><p>【結論】</p><p> MPPUTは検者内・検者間において高い再現性を認めた. </p><p>【倫理的配慮】</p><p>本研究はヘルシンキ宣言に基づき,研究目的,方法,参加は自由意志で拒否による不利益はないこと,及び,個人情報 の保護について,文書と口頭で説明を行い,書面にて同意を得た.</p>

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