中高年齢学校給食調理員に対する就労支援事業の活動報告 ~運動支援アプリケーション「リハサク」を使用した取り組み~

DOI
  • 谷中 則之
    一般社団法人岡山県理学療法士会 岡山市立市民病院 リハビリテーション科
  • 荒尾 賢
    一般社団法人岡山県理学療法士会 岡山リハビリテーション病院 リハビリテーション部
  • 片岡 孝史
    一般社団法人岡山県理学療法士会 岡山旭東病院 リハビリテーション課
  • 明日 徹
    岡山医療専門職大学 健康科学部理学療法学科

抄録

<p>【はじめに】</p><p>少子高齢化により各業種で高年齢労働者の雇用延 長が推進されているが、学校給食調理員は腰痛などの作業関連性筋骨格系障害予防に加え、高年齢労働者の労働災害発生原因上位である転倒予防を含めた対策が急務である。今回 (公社)日 本理学療法士協会の委託を受け、学校給食業務に従事する中高年齢労働者に対し、運動支援アプリケーション「リハサク」 (以下リハサク)を使用した運動指導を行った。定期的な運動習慣を身につけることにより労働適応能力の向上や労働災害予防、更なる就労支援に繋げるための事例報告としてリハサクを使用した運動指導介入効果について報告する。 </p><p>【方法】</p><p>A市学校給食センター勤務の中高年齢給食調理員に対し参加者を募集し、参加意思を示した10名 (平均年齢56.4歳)に運動介入前の労働適応能力評価・身体機能評価を行った後、リハサクを使用して4ヶ月間の自主運動指導を行い、運動介入後に同様の評価を行った。 </p><p>【結果】</p><p>介入前結果は労働適応能力評価平均値35.2/49点, 身体機能評価平均値 握力 (左/右)25.7/24.8kg,CS-30 20.6回,片脚立位 (左/右)103.5/83.7秒,2ステップテスト 198.9㎝,Alpha fit test (左/右)4.2/3.8,FFD7.1㎝であった。抄録作成時点では介入後のデータが未測定なため、学術大会時に介入効果の結果を示す。 </p><p>【結語】</p><p>中高年齢期における運動習慣の獲得には、その生活様式や運動意識に合わせた運動指導が必要である。リハサクを使用した運動指導は、場所や時間を選ばずに運動をすることができ、遠隔地からでも複数人に対し介入することが出来るツールとしても有用であると考えられる。参加者に評価結果をフィードバックしつつ、雇用主には従業員の労働適応能力の変化を示すことが出来れば、今後有効な就労支援策につながるのではないかと考えられる。 </p><p>【倫理的配慮】</p><p>本研究は、ヘルシンキ宣言および人を対象とする医学系研究に関する倫理指針に基づき、研究の目的と内容、個人情報保護について十分に説明し、署名による同意を得て行った。</p>

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