現役世代(就労者)を対象とした運動器検診導入へ向けた取り組み

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抄録

<p>【目的】</p><p> 当院では産業分野での関わりに興味ある理学療法士で有志のチームを作り活動を行っている。活動の1つとして人間ドッグのオプションで運動器検診を導入して運動器疾患の予防、そして元気に長く働ける身体作りをサポートしたいと考えてきた。今年度からの導入に先立ち、当院職員を対象に検診内容周知のためシュミレーションを行い,内容のブラッシュアップを図るためアンケート調査を実施した。今回はその結果に加え、検診の概要について報告する。 </p><p>【方法】</p><p> 人間ドッグを利用する現役世代 (就労者)をターゲットと考え、年齢は30歳~65歳とし、オプション検査として当検診を案内していく。内容は紙面による問診、全12項目の身体機能評価、フィードバック用紙を用いた結果説明、パンフレットを用いたセルフケア指導となっている.概ね60分で料金は3500円に設定予定である。 シュミレーションは人間ドッグに関わる部署より15名 (医師3名、医事課2名、看護師3名、検査科2名、放射線科4名)に参加いただいた。年齢は20代~60代であった。 アンケートは無記名とし、(1)満足度(2)オリエンテーション・結果用紙・セルフケア指導のわかりやすさ(3)検診に対する意見・感想 (自由記載)について回答してもらった。 </p><p>【結果】</p><p> 回答者は11名 (73%)。満足度は非常に満足4名、満足6名、やや満足0名、普通1名、不満0名であった。オリエンテーションのわかりやすさはわかりやすい9名、普通2名、わかりにくい0名であった。結果用紙のわかりやすさはわかりやすい10名、普通1名、わかりにくい0名であった。セルフケア指導のわかりやすさはわかりやすい10名、普通1名、わかりにくい0名であった。意見・感想では良好な意見の一方で、「セルフケア方法は動画があるとわかりやすいのでは」といった声があった。 </p><p>【結論】</p><p> シュミレーション参加者には概ね満足いただけ、内容についてもわかりやすいとの意見が多かった。参加者の意見を元に、セルフケアの各項目の動画を作成しWEBで視聴できるように設定予定である。1対1の対応は理学療法士の強みであり、問診内容を踏まえて検診結果をわかりやすくフィードバックし、セルフケア指導を日常生活に落とし込み習慣化に繋げることが重要であると考えられ、質の向上を目指した取り組みを検討していく必要がある。当検診は地域貢献、産業分野への関わりの足がかりになると考えており、今後拡大していきたいと考えている。 </p><p>【倫理的配慮】</p><p>本研究は院内倫理委員会にて承諾を得るとともに,シュミレーション対象者にはヘルシンキ宣言に則り当検診の目的・内容を書面及び口頭で説明するとともに、同意書にサインをいただいた。</p>

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