超高齢社会における住まいの要件、住宅すごろくの先

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抄録

<p>【はじめに】</p><p> 日本の高度成長期、バブル期を過ごした団塊の世代が2025年には後期高齢者になり、その後2040年には更に高齢化が進むと共に団塊ジュニアが高齢者の仲間入りをする。 高度成長期に目指した住宅すごろくが人生100年時代を迎えて新たなすごろくの上りを考えなければならなくなってきた。 </p><p>【方法】</p><p> 国が行った高齢者の意識調査結果や従来の住宅すごろくの上りとされた郊外一戸建住宅団地の将来推計値を基に、今後の住宅すごろく上がりの選択肢とそれを実現するために対応が必要となる課題を洗い出す。 </p><p>【結果】</p><p> 夢のマイホーム・終の棲家として購入した郊外一戸建住宅団地は、子供たちの独立・転居により老々世帯・高齢者単独世帯となり、そのまま継続して住み続けるのか、安心の高齢者向け住宅に転居するか、介護が必要となり施設に入居するのか等の選択をしなければならなくなってきた。一方、郊外の住宅団地は高齢者世帯が増えてきたことで、今後は一気に人口・世帯数が減少し空き家が増え、まちが衰退することが予測されている。こうした状況下で新しいすごろくの上りを作るためには、まずは本人の心構えと選択が大切なことになる。定年後人生の最後まで、社会貢献と生きがいのある暮らしを続けるために、本人の心身の健康維持がとても大事なことになる。また先々の備えとして将来に向けてのライフプランを早めに作ることが大切であり、その習慣のない日本においてはその作成と尊重の仕組が必要とされている。更には、どのような住宅に住むのかといった住まいの選択肢をサポートする仕組みや、その住宅を囲む住環境を維持する取り組みも必要となっている。 </p><p>【考察】</p><p> 今までの日本の仕組は「何かあったら対応する」というハイリスクアプローチが中心であったが、これからの超高齢人口減少社会にあっては「介護が必要になったら」「病気になったら」 「まちが衰退したら」といった後手の対応では対応しきれない社会となる。 先々を予測し、生き方や住まいへの早めの「備え=予防」が必要になり、本人の自覚と共に社会システムの変革が期待されている。 </p><p>【倫理的配慮】</p><p>該当なし</p>

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