ジョン・アトキンソン・グリムショーの夜景絵画における描画法II

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タイトル別名
  • The Method of John Atkinson Grimshaw’s Moonlight Paintings II
  • —Characteristics of the Works after 1870’s—
  • ―1870年代以降の作品に見られる特徴―

抄録

<p>本研究の目的は19世紀イギリスの画家であるジョン・アトキンソン・グリムショーの作品を分析し,油絵具で夜景絵画を描く際の手法を明らかにする点にある。本論は第二部として1870年代以降の作品に焦点を当て,実見調査を基に考察を行った。彼の夜景絵画は70年代以降に柔らかい色調による情感を重視したものとなった。その主な造形上のポイントとして,補色を意識したグレートーンによる配色,構図を重視した下地の白と褐色の使い分けが明らかとなった。総じてグリムショーは油絵具の重層を重視した描画方法を採った。その顕著な実例として,本論では白黒の風景写真の上に油絵具で加筆された《Manchester》に着目した。これらの分析結果を踏まえ,筆者自身が実験制作を行い検証した。その結果,グリムショーが使用したとされるコーパルワニス主体の画用液による硬質なマチエールや,褐色の線の効果を確認することができた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390581148794667008
  • DOI
    10.19008/uaesj.55.97
  • ISSN
    21893586
    24332038
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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