近世大野城市域出土人骨の栄養・健康状態に関する検討:ハリス線について
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- 米元 史織
- 九州大学総合研究博物館
書誌事項
- タイトル別名
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- A Study of the Nutritional and Health Status of Human Skeletons Excavated from the Onojo City in the Early Modern and Modern Period: The Harris Line
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説明
本研究では,大野城市域に位置する古野遺跡・原口遺跡・瑞穂遺跡の近世・近代墓地から出土した近世・近代人骨のハリス線の出現頻度の検討を行った.ハリス線は古人骨の栄養・健康状態を明らかにするために用いられてきたストレスマーカーの一種であり,長管骨の骨幹部または骨端部に生じる横線(transverse lines)として定義されている.CT(Nikon X-TH320)による観察の結果,古野遺跡よりも原口遺跡出土人骨のほうがわずかにハリス線出現頻度は高く,これら2遺跡よりも瑞穂遺跡出土人骨のほうがハリス線出現頻度は高いことが明らかになった.この違いは被葬者の階層と関連する可能性がある.古野遺跡の被葬者は大庄屋を勤めた家の係累である可能性が高く,次ぐ原口遺跡の被葬者は寺子屋を営むなど大庄屋ほどではないが百姓の中ではやや裕福であった.このようにハリス線の出現頻度の違いが生じた要因として農民の中に階層差が表れたことが挙げられる.近世・近代における健康・栄養状態は同じ街道沿いの農村部でもその程度が異なり,農民の階層分化に伴う一部農民を除く大多数の農民層の貧窮化の影響を表している可能性を指摘することができよう.
収録刊行物
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- 九州大学総合研究博物館研究報告
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九州大学総合研究博物館研究報告 21 53-66, 2024-03-31
九州大学総合研究博物館
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390581148794731520
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- NII書誌ID
- AA11909273
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- DOI
- 10.15017/7171719
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- HANDLE
- 2324/7171719
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- ISSN
- 13483080
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可