コロナ後の笑顔の印象形成に関する予備調査:サービス・エンカウンターにおける効果的な笑顔の提示にむけて

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  • Preliminary Investigation regarding the Effects of Facial Expressions : Customer Impressions of Smiles during Service Encounters

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抄録

2020 年4 月に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により緊急事態宣言が出てから、今年で3 年半が経過した。この間、感染の拡大と縮小が繰り返され、経済活動の変化や国民生活の行動変化が経済指標に少なからず影響を与えた(経済産業省, 2023)。特に、旅行・観光関連業は行動制限等の強い影響を受けたが、2019 年12 月に比べ、2022 年12 月の段階で鉄道旅客運送業は第3 次産業活動指数が90%にまで回復してきた。一方、国内航空旅客運送業では、新型コロナウイルス感染症以前の水準の25%超過となるまで回復してきたが、国際航空旅客運送業はまだ回復の途中である。しかし、今後、国際航空旅客運送業が回復してくれば訪日外国人の増加が予想され、そのもてなしの最初の接点であるサービス・エンカウンター(乾,1999 ; Normann,1984)での対応の重要性が増してくると考えられる。新型コロナウイルス感染症の拡大中は、世界中でマスク着用を余儀なくされたため、他者とのコミュニケーションの中で表情の印象評定が困難になっていた(e.g., Carbon, 2020)。笑顔の印象評定には文化差があり(北村, 2020,2023)、口元に注目して印象評定をする文化圏では(Yuki, Maddux, & Masuda,2007)、感染収束後、いち早くマスク着用を取りやめる動きがみられた(日本リサーチセンター, 2022)。新型コロナウイルス感染症後の世の中を見据え、さまざまな文化背景を持つ訪日外国人に向けて提示する笑顔表情について、そのふさわしさについて検討することが必要であろう。本研究では、サービス・エンカウンターが発生するもてなしの場面としてホテルを想定し、日本人従業員が提示する笑顔について、新型コロナウイルス感染症後の現状にふさわしいものはどういったものか予備調査をし、本調査への課題を検討する。

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