ブロッコリー根こぶ病対策の意思決定支援ツールの開発・実装―島原雲仙地域における根こぶ病発生の実態と対策の検証―

書誌事項

タイトル別名
  • Development and Implementation of a Decision-making Support Tool for Measures against Clubroot of Broccoli

抄録

<p>LAMP法を用いた遺伝子診断により測定したブロッコリー根こぶ病菌密度を,圃場ごとに見える化し対策の処方箋を提示できる,ブロッコリー根こぶ病対策の意思決定ツールを開発した.見える化ツールは,生産者圃場ごとの根こぶ病菌密度・診断結果類型(菌密度レベル)・土壌pH・診断結果・対処方法,等の項目を営農支援プラットフォーム「あい作」上のマップで確認できる.見える化ツールは,生産者である部会員とJAの営農指導員が,情報を共有しながら,営農指導員による根こぶ病対策指導の下,対策を実施することが可能である.見える化ツールの導入により,生産者の60.9%が見える化ツールの情報と営農指導に基づいた対策実施を意識するようになった.その結果,部会全体の2年間において,薬剤購入量が33.6%減少,石灰資材購入量が41.2%増加,おとり植物種子購入量が591.3%増加し,ツールの導入効果が示唆された.また,圃場内における根こぶ病菌密度の水平分布についても実態を明らかにした.以上,菌密度レベルに応じた対策を圃場ごとに実施できる見える化ツールは,薬剤の過剰使用を抑え,持続可能な農業の実現に寄与できる強力な対策意思決定ツールとなり得る.</p>

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参考文献 (6)*注記

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