マグネシウム投与は透析未導入のCKD患者の心血管予後を改善するのか?

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抄録

慢性腎臓病(chronic kidney disease: CKD)は心血管疾患の独立したリスク要因である.冠動脈石灰化(coronary artery calcification: CAC)はCKD進行により増加し,CKDにおける心血管イベントのリスク増加と関連する.よって,CAC進行を抑制することがCKD患者の心血管死亡を減少させる可能性が考えられる.マグネシウム(Mg)投与は,基礎的知見,臨床的知見の双方より,血管石灰化を防止する可能性が示されている.今回,透析未導入のCKD患者において,Mgの経口投与がCAC進行を遅延させるか否かを検証すべく,推定糸球体ろ過量(estimated glomerular filtration rate: eGFR)15〜45mL/min/1.73mの症例148例を対象に,二重盲検対プラセボ多施設共同臨床研究(MAGiCAL-CKD)を行った研究を紹介する.プライマリーエンドポイントは試験開始52週におけるCACスコアとし,CACスコアは,非造影下での心電図ゲートCTスキャンを用いて,アガストン法により算出された.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Chen J. et al., JAMA Cardiol., 2, 635-643(2017).<br>2) Bressendorff I. et al., J. Am. Soc. Nephrol., 34, 886-894(2023).<br>3) Sakaguchi Y. et al., J. Am. Soc. Nephrol., 30, 1073-1085(2019).<br>4) Sakaguchi Y. et al., Kidney Int., 85, 174-181(2014).

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 60 (4), 347-347, 2024

    公益社団法人 日本薬学会

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390581148794950272
  • DOI
    10.14894/faruawpsj.60.4_347
  • ISSN
    21897026
    00148601
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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