十代における市販薬乱用・依存~自傷と自殺のあいだ

DOI
  • 松本 俊彦
    国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部

書誌事項

タイトル別名
  • Over-the-Counter Drug Abuse and Dependence in Teenagers: Between Self-Harm and Suicide

抄録

厚生労働省令和元年版自殺対策白書によれば,年代別の自殺死亡率は,他の年代では2009年以降確実に自殺死亡率が減少傾向を示しているのに対し,十代に限っては横ばいもしくは微増で推移している.特に児童生徒に限定すると事態はいっそう深刻であり,自殺者総数が減少し続けるなか,一貫して増加傾向を示している.厚生労働省「自殺の統計・地域における自殺の基礎資料」によれば,2020年に自殺した小・中・高校生は前年比約3割増となり,特に高校生女子では前年比2倍増となり,以降,現在まで高止まりしている.本稿では,十代の子どもにしばしばみられる自傷と市販薬乱用・依存を取り上げ,まずは,その理解と対応の原則について述べるとともに,薬物乱用防止教育と自殺予防教育のあり方,ならびに,子どものSOSを受け止める支援者に望まれる態度について私見を述べた.

収録刊行物

  • 小児の精神と神経

    小児の精神と神経 64 (1), 21-28, 2024-04-01

    一般社団法人 日本小児精神神経学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390581148795239296
  • DOI
    10.24782/jsppn.64.1_21
  • ISSN
    24341339
    05599040
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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