金輪王、封禅す

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書誌事項

タイトル別名
  • <I>Chinlun-wang</I> 金輪王 Performed the <I>Feng</I> and <I>Shan</I> 封禅 Rites
  • <I>Wu-hou’s</I> 武后 Sovereign Power and the <I>Feng</I> and <I>Shan</I> Rites
  • 武后の君主権と封禅

抄録

武后は唐王朝に代わって周王朝を創業し、自らが中国史上唯一の女性皇帝となった。即位した武后はまもなく、創業の君主が行うとされる封禅の儀礼を執 行している。先例である高宗の封禅は、皇帝が周辺諸族との間に君臣関係を締約し、自らが統治する「天下」の秩序を形成する会同儀礼として行われた。これ に対し、武后は封禅に際して、仏教に由来する「金輪王」の尊号を帯びていた。金輪王とは、仏教にあって人間世界と異世界を合わせた全世界「四天下」を統 治する最上位の君主である。『大雲経疏』には、四天下のうち一天下が中国皇帝の統治する天下であると説明していた。そして、中国皇帝が執行する会同儀礼としての封禅を、金輪王が四天下に化迹する儀礼に見立てることで、武后の君主権を成立させたのである。これは、中国皇帝を包摂する金輪王となることで、女性皇帝としての正当性を獲得するためであった。

収録刊行物

  • 洛北史学

    洛北史学 14 (0), 99-119, 2012-06-02

    洛北史学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390581148795413376
  • DOI
    10.50967/rakuhoku.14.0_99
  • ISSN
    2436519X
    13455281
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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