江戸期の「常陸名所図屏風」の伝来 : 留守家文書の紹介を兼ねて

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  • The owners of the Hitachi Meishozu Byobu in the Edo period: Introduction of the Rusu Family Documents

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抄録

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[要旨] 岩手県奥州市水沢の商家に伝来した「常陸名所図屏風」(個人蔵、茨城県立歴史館寄託)は、十七世紀末期頃の常陸国を主題とする名所風俗図屏風である。本屏風の制作背景を今に伝える文献史料はなく、明治半ばに既に商家の所蔵となっていたことは明らかであるが、それ以前の伝来も不明であった。しかし、江戸期を通じて水沢を治めた水沢伊達家(留守家)の留守家文書(奥州市立水沢図書館蔵)の近世文書の中に、同屏風を指す可能性の高い記述が見出された。そこで留守家文書の記述を手掛かりに、屏風の江戸期の伝来を考察し、同屏風が常陸国の豪商の注文で制作された後、水沢伊達家の手に渡り、その後幕末から明治初期にかけて流出して商家の所蔵となった可能性を 提示した。

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