コムギ縞萎縮病に抵抗性で麺の色相が優れる寒冷地向けコムギ新品種「ナンブキラリ」の育成

DOI
  • 池永 幸子
    農研機構東北農業研究センター
  • 谷口 義則
    農研機構東北農業研究センター
  • 伊藤 裕之
    農研機構東北農業研究センター
  • 中丸 観子
    農研機構東北農業研究センター
  • 髙山 敏之
    農研機構東北農業研究センター 現所属:農林水産省水産技術会議事務局
  • 中村 俊樹
    農研機構東北農業研究センター
  • 氷見 英子
    農研機構東北農業研究センター 現所属:吉備国際大学
  • 石川 吾郎
    農研機構東北農業研究センター 現所属:農研機構作物研究部門
  • 池田 達哉
    農研機構西日本農業研究センター
  • 中村 和弘
    農研機構東北農業研究センター 現所属:農研機構本部
  • 平 将人
    農研機構東北農業研究センター 現所属:農研機構九州沖縄農業研究センター
  • 前島 秀和
    農研機構東北農業研究センター 現所属:長野県農業試験場
  • 伊藤 美環子
    農研機構東北農業研究センター 現所属:農研機構西日本農業研究センター
  • 齋藤 美香
    農研機構東北農業研究センター
  • 吉川 亮
    農研機構東北農業研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • “Nanbukirari”, a new wheat cultivar suitable for the cold regions in Japan has resistance to wheat yellow mosaic virus and an excellent yellow noodle color

抄録

<p>東北地域で長く栽培されている「ナンブコムギ」は,コムギ縞萎縮病に弱く,長稈で倒伏しやすいため,これらの短所を改良した「ナンブキラリ」を育成した.「ナンブキラリ」は2002年5月にF1雑種「盛系C-130b-5-5//東北214号(後の「ゆきちから」)/東北207号/3/盛系C-B3423」を母本,「盛系C-B3423」を父本として人工交配(盛交W02-24)した組合せから派生系統育種法により日本麺用軟質小麦として育成した.2018年に品種登録出願を行い,2022年に品種登録された.稈長は「ナンブコムギ」より短く,倒伏しにくかった.平均収量が「ナンブコムギ」より1.4倍程度多かった.耐雪性は「ナンブコムギ」より劣るが,穂発芽はしにくかった.コムギ縞萎縮病に強く「ナンブコムギ」の短所が大幅に改善された.製粉歩留は「ナンブコムギ」より高く,製粉性に優れていた.Wx-B1欠のやや低アミロース品種で,アミログラムのブレークダウンが大きいため,めんの食感が優れていた.「ナンブキラリ」の小麦粉は「ナンブコムギ」と同様に黄色みが強く,「ナンブコムギ」より明度に優れていた.以上のことから「ナンブキラリ」は「ナンブコムギ」の短所であるコムギ縞萎縮病抵抗性,長稈,低収を改善し,長所である小麦粉の黄色みを有し明度に優れた品種として普及が期待される.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390581224765221632
  • DOI
    10.1270/jsbbr.23j14
  • ISSN
    13481290
    13447629
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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