学士課程教育における教養科目のコア・カリキュラム : その特質と課題 ([特集] 教養教育のあり方を考える)

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タイトル別名
  • Core Curriculum in Undergraduate Education in Japanese Universities ([Feature]Reconsidering Liberal Arts and Sciences )

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抄録

本稿の目的は、日本の学士課程教育において教養科目のコア・カリキュラムがどのように構成されているのかを文献資料によって探索し、その特質と課題を明らかにすることである。日本の新制大学はハーバード大学から二度にわたってカリキュラム上の影響を受けた。第一の波は一般教養理念の導入に影響を与え、第二の波は教養部解体後の主題別科目への再編成に拍車をかけた。コア・カリキュラムの編成原理には特定の科目群を選択必修とする「領域コア方式」と、特定科目を必修とする「科目コア方式」があり、ハーバード大学は伝統的に「領域コア方式」をとってきた。神戸大学の教養科目は一貫して「領域コア方式」をとってきた。教養部時代は「〇〇学」のような学問分野別の科目名称が中心であったが、教養部廃止以後は「〇〇の成り立ち」のような主題別科目も増えつつある。主要な国立総合大学の教養科目を見ると、今日では両者が並存している状況である。また、「領域コア方式」で教養科目を編成する大学数多く存在するが、近年では初年次教育や導入教育の要素を教養科目のなかに取り入れて、「科目コア方式」を導入する事例もみられる。

収録刊行物

  • 大學教育研究

    大學教育研究 32 11-30, 2024-03-31

    神戸大学大学教育推進機構

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