北海道におけるカワウの集団繁殖地の変遷

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タイトル別名
  • Changes in the distribution and abundance of the Great Cormorant in Hokkaido Japan

抄録

<p>北海道の2001年から2022年までのカワウの集団繁殖地の変遷を調査した.文献調査と現地調査によって,自然物を利用した繁殖地が12地点,人工物を利用した繁殖地が6地点の計18地点の集団繁殖地が確認された.そのうち2022年に営巣した集団繁殖地は,自然物繁殖地が4地点,人工物繁殖地が5地点の計9地点だった.2001年に16巣だった営巣数は,2022年に2,558巣まで増加した.サロベツ原野からオホーツク海沿岸のペンケ沼,湧別川,網走港の3地点の集団繁殖地の営巣数は,北海道全体の営巣数の92.9%を占めていた.これら3地点の集団繁殖地は,営巣地から15km以内の範囲に多くの湖沼が存在していた.自然物繁殖地は人工物繁殖地よりも放棄された地点が多かった.人工物繁殖地の離岸堤は地上性捕食者が進入できず,架巣環境も安定していることから継続的に利用された可能性があった.北海道のカワウは主に本州で越冬していると考えられるため,国内のカワウの個体数管理を効果的に行なうには,北海道の営巣数を継続的かつ正確に把握する必要がある.</p>

収録刊行物

  • Bird Research

    Bird Research 20 (0), A11-A19, 2024

    特定非営利活動法人バードリサーチ

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390581257273597184
  • DOI
    10.11211/birdresearch.20.a11
  • ISSN
    18801595
    18801587
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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