術前炭水化物負荷の口腔外科手術後における消化器系合併症に対する影響―単施設過去起点コホート研究―

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タイトル別名
  • Impact of Preoperative Carbohydrate-loading on Postoperative Gastrointestinal Complications Following Bimaxillary Osteotomy

抄録

<p> 【要旨】 術後回復促進(ERAS)プログラムの一環として術前炭水化物負荷(CHO)が推奨されている.しかし口腔外科領域手術においてCHOの有用性はほとんど報告されていない.この単施設過去起点コホート研究では,日本大学歯学部付属歯科病院にて2022年10月から2023年6月までの間にLe Fort Ⅰ型骨切り術および下顎枝矢状分割術を同時に行い,プロポフォール,フェンタニル,レミフェンタニルを用いた全静脈麻酔で麻酔管理を行った患者を対象とし,顎矯正手術後の入院期間中の術後合併症に対するCHOの影響を電子カルテおよび電子麻酔チャートの情報を用いて検証した.87症例で解析を行い,46症例(53%)は手術前日21時より絶食,手術当日朝7時までは水のみ摂取していた(Water群).41症例(47%)は前述の絶飲食に加えて起床時から手術2時間前までに12.5%炭水化物飲料を400mL(50g炭水化物含有)摂取していた(CHO群).多変量線形回帰分析の結果,CHOの実施は術後排便までの日数の減少の有意な説明因子となりえた(β=−0.72,95%CI=−1.18-−0.26,P=0.002)が,性別,手術前の排便間隔,および術後の下痢は術後排便までの日数の減少に関与しなかった.以上の結果からCHOは顎矯正手術後に排便までの日数を減少させることで,便秘の発生を減少させる可能性が考えられた.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390581301851423232
  • DOI
    10.24569/jjdsa.52.2_98
  • ISSN
    24334480
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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