前方衝突の乗用車乗員におけるシートベルト着用の有無と腹部臓器損傷の差異 - 交通事故実態調査から -
書誌事項
- タイトル別名
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- DIFFERENCES IN ABDOMINAL ORGAN INJURY BETWEEN PATIENTS WEARING AND NOT WEARING A SEATBELT : RESULTS FROM THE MOTOR VEHICLE ACCIDENTS IN-DEPTH STUDY
抄録
<p>【背景】自動車安全技術や救急医療の進歩により, 交通事故死傷者数は減少してきている. シートベルト (以下SB) は大変重要な安全装置の一つであるが, 臨床上SBによる損傷がしばしば経験される. </p><p>【方法】日本医科大学千葉北総病院救命救急センターでは, 日本大学工学部と共同で交通事故実態調査を行ってきた. 2009年11月から2022年5月に調査された前方衝突事故の乗用車乗員を対象とし, SB着用群と非着用群の腹部実質および管腔臓器損傷受傷率の比較を後ろ向きに行った. </p><p>【結果】期間中4,086例の交通外傷患者が搬送され, そのうち491例が対象となった. 年齢49.5±21.9歳, バリア換算衝突速度36.9±14 km/h, ISS (Injury Severity Score) 中央値9, 重症外傷 (ISS 16+) は33%, SB着用率は81%であった. 腹部実質臓器損傷はSB非着用群で有意に高率で (非着用群30%, 着用群11%, p<0.01), 管腔臓器損傷は着用群で有意に高率であった (着用群21%, 非着用群4%, p=0.01). </p><p>【結論】SBは重要な安全装置だが, 改善の必要性がある.</p>
収録刊行物
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- 日本外傷学会雑誌
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日本外傷学会雑誌 advpub (0), 2024
一般社団法人 日本外傷学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390581312576216960
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- ISSN
- 21880190
- 13406264
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可