地理学者とアーティストとのコラボレーション

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タイトル別名
  • Collaboration between geographers and artists

抄録

<p>「ファンダメンタルズ プログラム」(2021~:fundamentalz.jp)は、科学・アート・社会を新たに結びつけ直し、新たな文化を形成することを目指すものである。ここでは科学者とアーティストとの交流成果が、ファンダメンタルズ フェスなどの行事や、動画配信などのオンライン行事を通じて公表されてきた。発表者はフィールドサイエンティスト(都市環境学)として初年度より参加し、アーティストとの間で以下のコラボレーションを行ってきた。</p><p>映像作家・澤崎賢一「マルチモーダルな共創/研究プロセスにおける情動」(2021~)。</p><p>「対話の記録:科学者の研究について 一ノ瀬俊明×澤崎賢一」(澤崎,2022:75分)などの短編映画に主演した。この作品で発表者は、サーモカメラを片手に東京駅の周辺を歩きまわり、表面温度の空間分布などから、当該地域の都市構造、自然環境、地理歴史などを読み解いている。本作品はNHKの著名番組「ブラタモリ」をサイエンス寄りに仕上げたような内容となっている。</p><p>写真家・大槻唯我「“風景”と社会課題」(2022~)。</p><p>発表者は1990年に、農林水産省林野庁足尾治山事業所主任として足尾荒廃地(現在栃木県日光市足尾町)の治山事業に従事した(一ノ瀬,1994)。大槻は2019年から「生と死」をテーマに足尾荒廃地の撮影を手掛けており、発表者が撮影した1990年の写真との比較や、発表者が施工を担当したエリアのUAV空撮(可視および熱赤外)を行い、当該緑化(自然回復)事業の効果が確認できた。</p><p>ミクストメディア作家・ヒロイクミ「環境未来予測」(2023~)。</p><p>Ichinose and Yasui (2004) には、1990年代半ばにおける日本の環境学者数十名による2050年までの環境未来予測がまとめられており、2023年段階における振り返りとともに、環境未来予測をテーマとしたカードゲームを試作した。</p><p>当日は、(地理学などの)フィールドサイエンスと他の学術分野との相違や、アーティストの視点の特徴、コラボレーションの発展可能性などについて発表する。</p><p>参考文献</p><p>澤崎(2022)YouTube Living Montage 2022年3月16日:https://www.youtube.com/watch?v=whPpBKpMbD0</p><p>一ノ瀬(1994)足尾の荒廃と緑化. In 中村ほか編:日本の自然 地域編・第3巻 関東. 岩波</p><p>Ichinose and Yasui (2004) Future Scenarios: Predicting Our Environmental Future.; In Himiyama Eds.: Area Studies - Regional Sustainable Development: Japan.; In Kiel Eds.: Encyclopedia of Life Support Systems (EOLSS). Developed under the Auspices of the UNESCO</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390581334683045248
  • DOI
    10.14866/ajg.2024s.0_53
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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