膠原病に対する漢方治療の実際

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  • コウゲンビョウ ニ タイスル カンポウ チリョウ ノ ジッサイ

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抄録

膠原病に対する漢方薬による治療は近年多くの報告がなされるようになった。膠原病では副腎皮質ステロイド薬による治療が一般的であり、本剤投与による漢方医学的病態の変化も把握されてきている。臨床的有用性の例として、全身性エリテマトーデス(SLE)やその他の膠原病に対して種々の漢方薬を応用することにより寛解が得られた症例報告や柴苓湯がSLE の活動期を短縮させ、ステロイドの投与量を節約させ、さらに肝関連酵素の上昇などステロイドの副反応を回避させる効果が示されている。シェーグレン症候群(SjS)の乾燥症状に対して漢方薬が唾液分泌を増加させ、免疫学的異常が改善した報告も存在する。強皮症の皮膚硬化、レイノー現象にも有効例が観察された。また基礎医学的な検討では、柴苓湯がT細胞のリンパ球亜群に影響を与え、より正常な方向への誘導が示唆された。

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