重症新生児に対する迅速なゲノム診断の現状と展望
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- 武内 俊樹
- 慶應義塾大学医学部
説明
<p> コンピューター処理能力と複雑かつ大量の生体情報を処理するためのバイオインフォーマティックスが長足の進歩を遂げている.次世代シーケンサーによるゲノム解析に必要なコストが劇的に低下し,データの処理に必要な期間も大幅に短縮されてきている.これに伴い,新規遺伝性疾患の発見や病態解明が進み,未診断疾患患者に対する診断率が向上している.遺伝子治療や核酸医薬品などが実用化され,特異的な治療法がなかった疾患に対する治療法も開発された.治療可能な疾患をできるだけ早期に診断することにより予後を改善することが求められている.新生児集中治療室に入室する重症新生児のうち5-10%は遺伝性疾患をもつとされる.重症新生児は,小児期以降のいわゆる年長児とは異なり,非特異的な表現型を呈することが多く,臨床診断が容易ではない.ゲノム解析は,少ない採血量で数千の遺伝性疾患の診断が可能であるため,欧米,アジア各国を中心に新生児集中治療の場での臨床応用が積極的に進められている.</p>
収録刊行物
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- 日本周産期・新生児医学会雑誌
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日本周産期・新生児医学会雑誌 59 (4), 447-449, 2024
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390581378932752000
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- ISSN
- 24354996
- 1348964X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可