特集:安全人間工学の新展開

  • 狩川 大輔
    日本人間工学会理事 東北大学大学院工学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • New Development in Human Factors and Ergonomics for Safety
  • -Learning from Reality and Leveraging Human Contributions-
  • -現実から学び,人を活かす-

抄録

<p>航空・プラント・医療のような現代の複雑システムは,機械などの技術システムのみならず,その運用に携わる多数の人や組織などの社会システムとの密接な関わりのもとで運用されており,社会技術システムと呼ばれる.それゆえ,これらのシステムの一層の安全性向上のために,人間工学が担う役割は大きい.本稿では,近年提唱されたSafety-IIやレジリエンスエンジニアリングが主張する新たな安全の見方から得られる示唆に基づき,安全人間工学が今後より一層実践的かつ効果的な理論や方法論を構築していくための基礎として,ヒューマンエラーのような失敗面のみならず,日常の現場の現実(様々なトレードオフ,変化や相互作用,人間のポジティブな貢献など)を記述・理解するためのフレームワークの必要性について述べる.また,先行例としてNaturalistic Decision Makingをとりあげ,現場の現実や実践から学ぶことの意義とその課題について考察する.</p>

収録刊行物

  • 人間工学

    人間工学 60 (2), 66-70, 2024-04-15

    一般社団法人 日本人間工学会

参考文献 (4)*注記

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