情報システムの変遷による品質マネジメントの在り方に関する一考察 : 確実性から不確実性へ、演繹から帰納へ、規律から自律へ

書誌事項

タイトル別名
  • A Study of Quality Management in the Transition of Information Systems: From Certainty to Uncertainty, from Deduction to Induction, from Discipline to Autonomy
  • ジョウホウ システム ノ ヘンセン ニ ヨル ヒンシツ マネジメント ノ アリカタ ニ カンスル イチ コウサツ : カクジツセイ カラ フカクジツセイ エ 、 エンエキ カラ キノウ エ 、 キリツ カラ ジリツ エ

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抄録

IT 技術の急速な進展により、情報システムは、システム構成要素や利用するIT 技術が大きく変化した。そして現代のクラウド技術やAI 技術を利用したシステムでは、従来の企業内業務のシステム化に比べてシステムの達成すべき目標が不確実になった。この変化に伴い、システムの開発スタイルも開発工程を順番に進む演繹的スタイルから、システムの目標達成の度合いを検証しながら繰り返し開発する帰納的スタイルに遷移している。一方、情報システムは社会的基盤を支えるまでに利用対象が拡大し浸透してきたため、情報システムに不具合が発生すれば社会生活に大きな影響を及ぼしかねない。そのため、情報システムの信頼性はますます重要になってきている。 しかし、システム開発における品質を確保する考え方は、レガシーシステムの長い開発の歴史の中で確立されたものから脱却できていない面もある。システムの目標が不確実になり、開発スタイルが帰納的に変化したことにより、システムの品質を確保するためには、従来の画一的な品質プロセスの規律を遵守する考え方から、品質をより柔軟にマネジメントする考え方への変革やそれを実行できる自律的な組織への変革が必要になってきている。 本論文では、これらの情報システムの変遷に伴う開発スタイルの変化と品質確保の考え方を整理し、品質マネジメントから組織運営までのあるべき姿を考察し提案する。

収録刊行物

  • 情報研究

    情報研究 67 25-41, 2023-07-31

    文教大学

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