The Modern Image of the Central Plain in the Context of the Others

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  • 他者之镜下的近代中原形象

抄録

本稿は明治より大正期に至る日本人の中原印象に注目し、『幕末明治中国見聞録集成』『大正中国見聞録集成』と『東亜同文書院大旅行誌』を資料に、まず記述された中原地区に関する情報を抽出し整理する。次に中原地区において最も重要な都市である鄭州、開封と洛陽を例に、気候、旅館、市街、名勝古跡といった面から日本人に与えた印象を分析する。さらに、中原の主要地域である河南省全域を視野に入れ、穴居、人物、物産と商業状態から日本人の中原印象を検討する。最後に、日本人の中原印象の形成に与えた要因を究明する。近代の中原は日本人に与えた印象は黄麈万丈、市街衰退、旅館不潔、南京虫が多く、名勝古跡が破壊され、百姓貧弱であった。この印象が形成された要因は主に三つある。第一に、交通上の制限で、共通の旅行ルートを選択した通時空間の旅行者が記録した内容の相応性があり、中原に対するマイナスイメージが多く描写されたことである。第二に、古典書籍に記録された「美しい中国」と「現実中国」のずれが大きすぎ、失望した旅行者は「現実中国」に対する描写をより丑くしたことである。第三に、明治維新後の日本は「東方主義」の主体に置き、中国に対する見方も蔑視と憎悪に変わり、中国を批判するのが一般民衆の心理となったことである。

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