三叉神経痛に対する漢方療法
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- 王 宝禮
- 大阪歯科大学歯科医学教育開発センター
書誌事項
- タイトル別名
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- Kampo Therapy for Trigeminal Neuralgia
- —Treatment by Medical Diagnosis and Treatment of Pattern Identification—
- —病名治療と随証治療—
説明
目的:三叉神経痛の薬物療法の第一選択薬は西洋薬であるカルバマゼピンが多く,吐き気,めまい,電解質異常,全身の湿疹などの強い副作用が発症する場合や効果が不十分な場合は,ガバペンチンやプレガバリン等の薬剤が候補にあがる.近年では第二選択薬の候補のひとつとして漢方薬が注目されている.本稿では三叉神経痛に対する漢方療法を病名治療と随証治療(ズイショウチリョウ)で考察していくことを目的とする. <br>研究の選択:「神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン改訂第2版.日本ペインクリニック学会神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン作成ワーキンググループ委員,2016」「慢性疼痛治療ガイドライン.慢性疼痛治療ガイドライン作成ワーキンググループ,2018」,「非歯原性歯痛の診療ガイドライン改訂版.日本口腔顔面痛学会,2019」のガイドラインに掲載されている漢方薬及び関連文献を検討した. <br>結果と結論:三叉神経痛に対して「病名治療」と「随証治療」の概念(臨床診断)よって考察した結果,12種類(桂枝加朮附湯(ケイシカジュツブトウ),五苓散(ゴレイサン),ブシ末(ブシマツ),立効散(リッコウサン),抑肝散(ヨッカンサン),疎経活血湯(ソケイカッケツトウ),五積散(ゴシャクサン),麻杏薏甘湯(マキョウヨクカントウ),桂枝湯(ケイシトウ),葛根湯(カッコントウ),柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ),芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ))の漢方薬があげられた.漢方薬は西洋薬の有用な補助療法として位置づけることができる.
収録刊行物
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- 日本口腔顔面痛学会雑誌
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日本口腔顔面痛学会雑誌 16 (1), 33-40, 2024
日本口腔顔面痛学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390581401102958720
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- ISSN
- 18829333
- 1883308X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可