隠岐諸島の樹木組成の特徴

書誌事項

タイトル別名
  • Characteristics of Tree Species Composition on the Oki Islands:
  • Comparison with the Tsushima and Sado Islands
  • ―対馬諸島と佐渡島との比較から―

抄録

<p>日本海にある隠岐諸島(島根県)は氷期に島根半島と陸続きになった地史をもつ。隠岐諸島では森林植生の垂直分布が不明瞭であり,氷期の遺存的な樹種が存在すると考えられているが,どのような樹木組成を基盤としてその植生が成立しているのかは不明である。そこで隠岐諸島の樹木組成の特徴を明らかにするため,日本海にあり更新世中期に九州および朝鮮半島と陸続きになった対馬諸島と,更新世中期には離島であった佐渡島を文献資料から比較した。その結果,分類群数は隠岐諸島が272,対馬諸島が329,佐渡島が313あり,面積が最も小さい隠岐諸島で少なかった。南に位置する対馬諸島は広布種と南方種が多く,北に位置する佐渡島は北方種が多かった。中間に位置する隠岐諸島は両島との共通種が多く,高木では落葉ナラ類が多く,クスノキ科の常緑類が分布することが特徴であった。</p>

収録刊行物

  • 日本森林学会誌

    日本森林学会誌 106 (4), 109-115, 2024-04-01

    一般社団法人 日本森林学会

参考文献 (13)*注記

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